hisagokouta

小唄解説~木村菊太郎著より~

春風が

春風がそよそよと 福は内へとこの宿へ 鬼は外へと梅が香添ゆる 雨か雪か ままよままよ 今夜も明日の晩も流連けに 玉子酒 廓は福は内、鬼は外と、節分の豆撒きをした翌日の立春の日で、梅の香りにも春らしいなまめかしさが溢れている。庭の梅の香の匂っ...
小唄解説~木村菊太郎著より~

初雪

​詞・曲 初代清元菊寿太夫 初雪に 降りこめられて向島 二人が仲に置炬燵 酒(ささ)の機嫌の爪弾きは好いた同志の差向かい 嘘が浮世か浮世が実か まことくらべの胸と胸 明治二十年頃、菊寿太夫が六十八、九才の時の作品と想像される。小唄の舞台であ...
小唄解説~木村菊太郎著より~

秋の野に出て

秋の野に出て 七草みればああさんやれ 露で小褄が濡れかかるサアよしてもくんな鬼薊 ​江戸時代には、初秋の七月の末頃「虫聞き」「七草見物」と称して、秋の夜を郊外に出る風流な人々があった。その人々の褄の先まで、秋の露が濡れかかるのは、何とも言え...
小唄解説~木村菊太郎著より~

たらちねの

たらちねの 許さぬ仲の好いた同士許さんせ罰当たり 猫の皮じゃと思わんせ惚れたに嘘は夏の月 秋という字はないわいな 「たらちね」は垂乳根で親の枕言葉。「罰当たり」は撥あたりで、三味線の胴に貼った猫の皮を指し「秋という字」は飽きるに掛けた語であ...
小唄解説~木村菊太郎著より~

きりぎりす

曲 清元お葉 きりぎりす そなたの足は 細くて長くて何故にちっくり曲がってるそれでなければ エエちょいと跳ねてとまられぬ 安永年間(1772-80)に流行した上方小唄「九色唱歌」という九つの小唄の中に「ええきりぎりす そなたの足は 何故にぎ...
小唄解説~木村菊太郎著より~

書き送る

書き送る 吾が手ながらも羨まし恋しき人の見ると思えば恥ずかしき嘘も誠も命毛に 契いしことの判じもの待つも幾夜の後朝に 人目の関と明烏 江戸時代の江戸端唄。明治期に新作された江戸小唄である。この小唄は廓の女が絶えて久しく逢わぬ男のもとに、思い...
小唄解説~木村菊太郎著より~

うからうから

作者不詳 うからうからと 月日経つのに梨の礫の沙汰無しは闇じゃ闇じゃと待つうちにお月さまちょいと出て南無三宝蕎麦屋さん何刻じゃ ひけじゃえ 文政7年(1824)名古屋に流行した上方小唄を江戸端唄化したもので、原唄は "逢いた見たさに親の目顔...
小唄解説~木村菊太郎著より~

あの花が

清元お葉 詞・曲 ​あの花が 咲いたそうだが 羨ましさっと雨もつそのときは妾(わし)もあとから咲くわいな 「あの花」は普通 桜のことであるが、ここは初春に咲く水仙の雷にも例えられる年頃の娘を指したものであろう。お葉の友達の一人が婚礼が定まっ...
花だより

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