花だより

夕日の大きさ

取るに足らないお話

ある日、呼子まで新鮮なイカを食べようと、夕刻から娘婿の車で出かけた。

何しろドライブは大好きな私。あの美しい虹の松原をくぐってゆけると思うと、子供みたいにうれしい。

その松原を娘と感嘆しながら通り抜け、ひとしきり海辺のドライブを愉しんだのち、ネットで一番評判の店に入った。

お味は期待に違わずおいしかった。そしてその帰路のことである。

西に傾く夕日が、実に美しく筆舌に尽くしがたい。夕日は今や海に沈まんとしていた。何色といえばいいのだろう。オレンジでもない、赤でもない。夕日の輪郭の中に色のグラデーションが神秘的だ。これまでにこんなに美しい夕日に出会ったことはない。

突然私は「ねえ、あの夕日どれくらいの大きさに見える?私はこれくらいの大きさに見えるんだけど」こういって両手で直径約30センチほどの円を作って見せた。

すると娘は「私はこれくらいに見える」と、私の作った円よりはかなり小さな丸を作って見せた。直径20センチほどか。

「あなたはどれ位に見える?」と、娘婿に尋ねると、

「これくらいかな」と直径15センチほどの円を示した。

不思議だなあ。同じ場所で同じ時間に同じ夕日を眺めているのに、こんなにも感じる大きさが違うなんて。

生きてきた経験の差だろうか,それとも感性の違いか。それともほかに理由が・・?

これを読まれた方。

どうか、今晩でもご家族やお友達と月をご一緒に愛でながら、ご自分に見える大きさを論じてみてはいかがでしょうか。

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